【2月16日 AFP】イタリア当局は15日、リビアから同国に向かう途中に地中海(Mediterranean Sea)上で遭難した難民の大規模な救助活動を実施し、2000人以上を保護した。伊メディアが伝えた。

 イタリア政府は同日、リビアの治安状況の悪化をうけて在リビア大使館の職員を退避させ、同大使館での活動を停止していた。

 伊メディアによると、十数隻のボートでリビアを出港した難民2164人がリビアとイタリアのランペドゥーサ(Lampedusa)島間で遭難し、イタリア海軍や沿岸警備隊によって救助された。

 またイタリア運輸当局によると、難民救出にあたっていた沿岸警備隊員が、リビア沿岸からモーターボートで接近してきた4人の武装した男に脅迫された。カラシニコフ(Kalashnikov)自動小銃で武装した男らは、難民が救出されて空になったボートの返還を強要したという。

 昨年にはアフリカ北部からボートでイタリアへの密航を試みた3200人以上が死亡しており、国際連合(UN)は北アフリカとイタリア間海路を世界で最も危険な航路横断と指摘している。

 13日には、リビアの沿岸から約80キロの沖合で、6隻のボートに乗った約600人の難民がイタリア沿岸警備隊や商船によって救出された。またその前週には、地中海で難民らが乗っていたゴムボートが悪天候のため沈没し、300人以上が死亡する悲劇も起きている。(c)AFP/Jean-Louis DE LA VAISSIERE