【2月12日 AFP】(一部更新)米空軍と米航空宇宙局(NASA)、米海洋大気局(NOAA)が3億4000万ドル(約400億円)をかけて共同開発した宇宙気象観測衛星「Deep Space Climate Observatory、DSCOVR)」が11日、米宇宙開発企業スペースX(SpaceX)の「ファルコン9(Falcon 9)」ロケットでの打ち上げに成功した。人類に危険を及ぼしかねない太陽活動や磁気嵐を観測する任務を負っている。

 DSCOVRについて専門家らは、「宇宙の天気」に対する備えと対処を支援することによって公共施設や消費者、産業を保護する役割があると説明している。今後、110日をかけて地球と太陽の間に位置する引力の均衡点ラグランジュ1(L1)に到達し、搭載機器の試験を40日行った後、太陽風のリアルタイム観測と地球へのデータ送信を開始する。

 5年間に及ぶミッションの主な目的は、宇宙気象の観測だ。

 ただ、当初の開発計画の元となったのはアル・ゴア(Al Gore)元米副大統領の発案に基づいた宇宙探査機で、これは地球を観測しライブ映像を送信することを通じて、脆弱な地球の環境に対する意識向上を目指すものだった。このため、地球表面のエアロゾル(大気中の微粒子)量やオゾン、地球の放射バランスなどを観測することが、DSCOVRのもう1つのミッションとなる。

 DSCOVRは、既に耐用年数を経過した太陽風観測衛星「ACE」の後継機に当たる。もともとは「トリアーナ(Triana)」の名称で1990年代後半に開発計画が始まったが、2001年に当時のジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領によって中止されていた。

 NOAA衛星情報サービス(NOAA Satellite and Information Service)のスティーブン・ボルツ(Stephen Volz)副局長によると、NASAは開発途中の衛星を清潔な室内に保管。約7年前に搭載機器はまだ利用可能だと判断し、太陽風観測用に機器を改装したという。(c)AFP/Kerry SHERIDAN