【2月10日 AFP】極寒の地中海(Mediterranean Sea)上を欧州に向かっていた小型船がイタリア当局によって拿捕され、乗船していたアフリカ難民29人が低体温症により死亡した。うち大半は救助された後に死亡したという。複数の情報筋が9日、AFPに明らかにした。

 沿岸警備隊関係者によると、前夜に強風と高さ8メートルの波の中を進んでいた漁船から、既に死亡していた7人を含む105人の難民が見つかった。だが悪天候に阻まれ、救助船がシチリア(Sicily)南方のランペドゥーサ(Lampedusa)島に到着したのは9日昼だった。医療当局筋によると、海上ではさらに22人が死亡し、死者数は合計で29人となった。

 難民はそのほとんどがサハラ以南のアフリカ諸国出身で、一部はより治療体制が整ったシチリア島の病院に航空機で搬送された。昨年、北アフリカから船でイタリアを目指して死亡した人は3200人以上に上る。昨年イタリアに上陸した人の数は17万人以上で、過去最多を記録した。(c)AFP