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イヌ家畜化は1万5000年前か、最新化石分析 研究

2015年2月6日 11:56 発信地:パリ/フランス

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イヌ家畜化は1万5000年前か、最新化石分析 研究
ドイツ東部シェーネックで開催の犬ぞりレースに出場した2匹のシベリアンハスキー(2012年1月28日撮影。資料写真)。(c)AFP/HENDRIK SCHMIDT

【2月6日 AFP】「人間の最良の友」とされるイヌと人類との共存の歴史はこれまで考えられていたほど長くはない──英科学誌ネイチャー(Nature)系オンライン科学誌「サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)」で5日に発表された研究論文によると、現代のイヌが出現した年代はこれまで考えられていたものより1万5000年ほど繰り上がるという。

 米スキッドモア大学(Skidmore College)などの研究チームは、イヌの頭骨化石2個の再分類を行った結果、今回の結論を導き出した。うち1個は3万年以上前のもので、イヌの家畜化は初期人類がまだ定住しない狩猟採集民だった太古の時代に始まったとする年代測定の根拠となっていた。

 これらの頭骨化石を新たに3D(3次元)分析した結果、頭骨は実際にはオオカミのもので、他の研究が主張していたような最古のイヌのものではないことが判明したと、研究チームは論文に記している。

 この結果、イヌの家畜化を示す最古の化石証拠は、約1万5000年前の時代のものとなると研究チームは指摘する。この時代に人類は定住地を形成して農耕を始めたとされている。

 論文共同執筆者の一人で、スキッドモア大の生物学者のアビー・ドレーク(Abby Drake)氏は「科学者らはこれまで、最古の飼い犬に首輪をつけたいと躍起になってきた」と語る。そして「だが残念なことに、これまで行われてきた分析は、化石の正体を正確に明らかにできるほど精度が高いものではなかった」と続けた。

 ドレーク氏と研究チームは、スキャン技術と3次元視覚化ソフトウェアを用いて、頭骨2個の形状と大きさを詳しく調べ、そのデータを現代と太古の時代の他のイヌとオオカミの頭骨の計測データと比較した。

 ドレーク氏はAFPの取材に、これまで人類化石の研究に同様の手法が用いられてきたが、イヌ科に分類される動物の特定に用いられたのは今回が初めてだと語った。

 研究チームはこの手法を利用して、眼窩(がんか)の向きや鼻口部と前額部との間の角度などの、イヌとオオカミとの形態学上のわずかな違いを見極めることができた。ドレーク氏によると「頭骨がイヌのものかオオカミのものかを96%の精度で判別できた」という。

 多くの科学者らは、イヌの家畜化が始まったのは、古代オオカミが人間の定住地近くのごみ捨て場をあさり始めた時代だと考えており、今から7000年~3万年前のどこかの時点でオオカミから分岐したと推測している。

 イヌは人間によって家畜化された最初の動物である可能性が高く、これは現代文明の発達における重要な一歩とされている。(c)AFP

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