【2月2日 AFP】バングラデシュの野党党首で、シェイク・ハシナ・ワゼド(Sheikh Hasina Wajed)首相の30年来の政敵であるカレダ・ジア(Khaleda Zia)元首相の自宅兼事務所の電気が1月31日の未明から約20時間にわたって止められた。反政府デモを呼び掛けているジア氏に対する政権の圧力だ。

 ジア氏が率いるバングラデシュ民族主義党(Bangladesh Nationalist PartyBNP)によれば、国営電力会社の技術者がはしごを使ってジア氏宅前の電線を切断した。

 技術者は集まった報道陣を前に「警察から電線を切る許可が出ている」と述べた。民放テレビのチャンネル24(Channel 24)によると、インターネットと衛星テレビの配線も切断されたという。

 BNPによれば電気はその日の深夜に復旧したが、その後も事務所のインターネットやファクス、ケーブルテレビ、携帯電話は使えない状態が続いた。

 ジア氏は、自身の支持者を1月5日にハシナ首相に抗議するデモに動員すると表明し、首都ダッカ(Dhaka)市内の上流階層の地区グルシャン(Gulshan)にある自宅兼事務所に閉じこもった。1月5日はBNPがボイコットして与党が圧勝した前年の総選挙からちょうど1年目に当たる。ジア氏が閉じこもりを続ける中、同氏の1番下の息子がマレーシアで死亡。1月27日に行われた葬儀には数万人が参列し、ジア氏への支持を示した。

 ジア氏は事務所から全国の道路や鉄道を封鎖するよう呼びかけて混乱を招き、少なくとも42人が死亡、800台近い車両が火炎瓶などで壊される事態になっている。同氏はまた、150万人の学生が受験する高校入試が全国で行われるにもかかわらず、今月1日から72時間のストライキを呼びかけていた。

 現地の英字紙デーリー・スター(Daily Star)によると、シャージャハン・カーン(Shahjahan Khan)船舶相は1月30日夜の集会で、ジア氏が交通網の封鎖をやめさせなければ、自宅の電気を止めて飢え死にさせてやると述べていた。ジア氏宅前の電線が切断されたのはその数時間後だった。

 ジア氏はハシナ首相に、昨年の総選挙のやり直しを求めている。不正があるとして野党がボイコットした結果300議席のほとんどを与党が占め、ハシナ氏は任期5年の首相の座についた。(c)AFP