【1月28日 AFP】2014年の世界の国外旅行の数が、前年比4.7%増の11億4000万人に達した。国連(UN)の世界観光機関(World Tourism Organisation)が27日、発表した。スペインの首都マドリード(Madrid)に本部を置く同機関によると、最大の伸びを示したのは、米州とアジアへの訪問者数だった。一方、2015年はペースが鈍化する見通しだとしている。

 同機関のタリブ・リファイ(Taleb Rifai)事務局長は声明を発表し「観光業は、過去数年間にわたり、驚くほど強靭性のある経済活動であることが証明されている」と強調した。

 世界観光機関は、2014年の国外旅行者数の伸びを4.0~4.5%増と予想していた。2015年については、原油価格の下落が観光業に与えるさまざまな影響から、3~4%の伸びにとどまるとみている。

 リファイ事務局長は「(原油価格の低下で)輸送費は低下し、原油輸入国の購買力および民需拡大による経済成長が高まる。だが、強力な観光資源市場として台頭してきた原油輸出国の一部にはマイナスの影響をもたらす恐れもある」と説明した。

 2014年の国外旅行者数は、米州で最も大きく伸び、その数は7.0%増の1億8100万人に達した。特にメキシコでは1月~11月までの間に19%の2桁成長を記録している。

 アジア・太平洋地域では、1泊以上する外国人旅行者が5.0%増え、2億6300万人となった。

 例年、国外旅行者全体の半数以上を占める欧州では2014年、前年比4%増の5億8800万人を記録した。中東地域もおおむね好調で、外国人旅行者は5000万人に上り、前年比4%増となった。(c)AFP