【1月16日 AFP】わずか3つの単語から成るそのスローガンは、仏パリ(Paris)で起きた風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)本社襲撃事件への抗議を示す言葉として瞬く間に世界を駆け巡った。

 スローガン「#JeSuisCharlie(私はシャルリー)」は、仏ファッション誌「Stylist」のグラフィックデザイナー、ジョアシム・ロンサン(Joachim Roncin)氏(39)が事件の犠牲者たちとの連帯を示すためのハッシュタグ「#JeSuisCharlie(私はシャルリー)」として作成したものだったが、黒地に白と灰色の文字で「私はシャルリー」と書かれたデザインはいまや表現の自由の象徴と化し、マグカップからTシャツまで、さまざまな商品にプリントされ、販売されている。

 こうした事態に、ロンサン氏はスローガンが金もうけの手段に使われることを防ごうと、スローガンの法的保護を検討している。

 仏特許当局はAFPの取材に対し、これまでに「私はシャルリー」のスローガンが印刷された商品120件の特許申請が却下されたことを明らかにした。うち2つは武器販売に関するものだったという。

 イスラム過激派の男らにシャルリー・エブドの編集者ら12人が殺害された事件の一報をツイッター(Twitter)で知り、同じジャーナリストが襲撃された苦しみから即時にスローガンを生み出したロンサン氏は、スローガンが商業目的で使われ始めたことに衝撃を受けたとAFPに語り、「率直に言って、あのスローガンで金もうけをしようとする人たちや、それにまつわる全てのことに傷ついている。スローガンの意味を著しくおとしめる行為だ」と述べた。

 ロンサン氏は、「表現の自由」支持を広める目的以外でスローガンが使われることを防ごうと全力を尽くして弁護士と奔走しているという。

 弁護士のミリアム・セバン(Myriam Sebban)氏によると、ロンサン氏は商標登録することでスローガンの使用を管理し、シャルリー・エブドへの連帯という元来のメッセージを守ろうという考えで、商標登録による利益は求めていないという。  

 一方、シャルリー・エブドの事件後初となる最新号がはやくも競売サイトのイーベイ(eBay)に数千ユーロ(数十万円)で出品され、イーベイでは利益はシャルリー・エブドに寄付すると発表している。(c)AFP/Fran BLANDY