【1月15日 AFP】タンザニア当局は、アルビノ(先天性色素欠乏症)の人々が殺害される事件の急増を抑えるため、呪術師を禁止した。当局者が14日、述べた。アルビノの人々の体の一部は呪術で用いられるために同国などで売買されている。

 タンザニアでは先月、北部ムワンザ(Mwanza)州の自宅から、4歳の少女が刃物で武装した男たちに誘拐される事件が起きた。警察当局はこれまでに少女の父親とおじ2人を含む15人の容疑者を逮捕したが、少女は依然として行方不明のままだ。

「アルビノの人々に対する攻撃は、呪術師と呼ばれる人物たちに責任がある」と、内務省報道官のアイザック・ナンタンガ(Isaac Nantanga)氏は14日、AFPの取材に語った。

 国連(UN)の専門家によると、東アフリカの国々では2000年以降、少なくとも74人のアルビノの人々が殺害されている。2009年に殺害事件が急増したことを受けて、政府当局はアルビノの子どもたちを児童養護施設に入所させる措置をとった。

 タンザニアでは、アルビノの人々の体の一部は約600ドル(約7万円)で売買される。全身の遺体であれば7万5000ドル(約880万円)という。貧困にあえぐタンザニアでは破格の高値で取引されている。

 タンザニア政府は、呪術師の禁止措置と合わせ、殺害をなくすための教育キャンペーンも開始した。この禁止措置には、ハーブなどを使って病気を治療する伝統的な治療師は含まれていない。(c)AFP/Ephrem RUGIRIRIZA