【1月14日 Relaxnews】デザイナーのジョン・ガリアーノ(John Galliano)が12日、ついにファン待望のカムバックを果たした。ガリアーノは、仏ブランド「メゾン マルタン マルジェラ(Maison Martin Margiela)」のクリエイティブ・ディレクターに就任後、初となるオートクチュール・コレクションを、同日午後ロンドン(London)で発表した。

 ベルギー人デザイナーによって創業された「メゾン・マルタン・マルジェラ」は現在、「ディーゼル(Diesel)」のレンツォ・ロッソ(Renzo Rosso)代表が経営するOTBグループの傘下にある。ガリアーノは「アーティザナル(Artisanal)」と呼ばれる同ブランドのオートクチュール・コレクションを手がけた。また今回は通常とは異なり、ロンドンで開催されたメンズ・ファッションウイーク最終日に発表された。

 ガリアーノ就任によって鳴り物入りのコレクション発表だったにもかかわらず、そのショーで追求されたのはただ一つ、「服」だった。銀色のタイル張りのシンプルなスペースに設けられたランウェイの両サイドには、一列分の椅子が並んでいるのみ。そこには正式招待を受けた文字通り「フロントロウ」ゲストだけが着席を許された。そして「クリスチャン・ディオール(Christian Dior)」時代のショーにつきものだった華やかな演出は一切排除された。

 一方でドレスは強い存在感を示した。野菜や果物をモチーフにした16世紀の伊人画家、ジュゼッペ・アルチンボルド(Giuseppe Arcimboldo)にインスパイアされたという人の顔を模した飾りがついたドレスは圧巻だった。 最も注目を集めたのは、「マルジェラ」の伝統的なミックス素材(アニマルプリント、デニム、シルクなど)と、体の線に沿ってファブリックをまとわせるジョンのスタイルの絶妙なバランスだった。

 メイクはパット・マグラス(Pat McGrath)が担当。手の込んだダークトーンのアイメイクから、パールやラメをふんだんに使ったメイクまで、さまざまなスタイルが盛り込まれた。

 ラストを飾った真っ赤なウエディングドレスで、ここ数年の「マルジェラ」でおなじみになっているクチュールマスクも戻ってきた。ゴールドマスクで王冠もついたこのマスクは、ガリアーノ復帰第1弾のショーのエンディングを強く印象づけた。(c)Relaxnews/AFPBB News