【12月19日 AFP】英国放送協会(BBC)は18日、米アップル(Apple)製品を製造する中国の工場の労働環境を独自調査した結果、従業員が12時間労働を強いられ、疲労のあまり仕事中に居眠りをするほどの劣悪な条件で働かされていることが分かったと報じた。

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 BBCの複数のリポーターが、台湾系企業ペガトロン(Pegatron)の従業員として雇われ、工場に潜入した。そこで明らかになったのは、作業員らが頻繁に会社の規定を超える週60時間以上働き、IDカードや社員寮、ミーティングや未成年の労働者に関する規則も守られていない実態だった。潜入したリポーターの1人は、何度も休みを申請したにもかかわらず18日の連続勤務を強いられたという。

 BBCは、2010年に台湾系大手電子機器メーカー、富士康科技集団(フォックスコン、Foxconn)の従業員が相次いで自殺したことを受けアップルが約束した労働環境改善の誓約が「日常的に破られている」と指摘した。

 一方、アップル側はBBCの取材に対し、「弊社ほど公平で安全な労働環境の確保に積極的に取り組んでいる会社は他にない」として反論。休憩中に作業員が寝ることはよくあるとした上で、作業中に居眠りをしている人がいるかの調査を行うと表明した。また、100万人を対象にしたアップルの調査によると、ペガトロンの従業員の労働時間は週平均55時間だったという。(c)AFP