【12月9日 AFP】エボラ出血熱対策のための資金集めを目指したプロジェクト「バンド・エイド30(Band Aid 30)」によるシングル曲の歌詞は、無知で、恥ずかしいものだ――。エボラ出血熱に感染し回復した英国人看護師が9日、否定的な意見を述べた。

 シエラレオネでエボラウイルスに感染し、英ロンドン(London)で回復後にシエラレオネに戻って地元の感染者の治療にあたっている看護師のウィリアム・プーリー(William Pooley)さん(29)は、「バンド・エイド30」の新曲「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?(Do They Know It's Christmas?)」について、英ラジオタイムズ(Radio Times)誌のインタビューに応じた。

「シエラレオネの同僚のあいだでも話題になっている。ただ、『ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?』について言いたいのは、ここの人たちは普通のことをやって普通の人生を送っているんだ。アフリカであって別の惑星じゃない。こういう他文化に関する無知はちょっと恥ずかしくなる。『一粒一粒の涙に死がある』という歌詞も、盛りすぎじゃないかな」

 プーリーさんは8月に感染し、ロンドンで未承認薬「ZMapp(ジーマップ)」を投与されて回復した。

 曲のレコーディングには、英人気アイドルグループ「ワン・ダイレクション(One Direction)」やアイルランドのロックバンド「U2」のボーカル、ボノ(Bono)、エド・シーラン(Ed Sheeran)などのほか、エミリー・サンデー(Emeli Sande)も参加。サンデーはこのインタビューより前に歌詞について、書き直した方がいいと発言しており、英メディアに対しては自身のパートを変えて歌ったがその部分はカットされたと語っていた。(c)AFP