【12月5日 AFP】国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系でイエメンに拠点を置く武装組織「アラビア半島のアルカイダ(Al-Qaeda in the Arabian PeninsulaAQAP)」は4日、人質の米国人ジャーナリストを米軍が救出しようとしたが「間抜け」にも失敗したとあざ笑い、このジャーナリストを近く殺害すると予告した。

 AQAPは今月撮影したとする動画を公開。その中で、人質になっているのはフォトジャーナリストのルーク・サマーズ(Luke Somers)氏(33)だと明かした。サマーズ氏はイエメンの首都サヌア(Sanaa)で1年以上前に拉致したとしている。

 米民間情報機関SITEインテリジェンス・グループ(SITE Intelligence Group)によると、サマーズ氏はサヌアで昨年9月に誘拐されたという。

 AQAPのナセル・ビン・アリ・アンシ(Nasser bin Ali al-Ansi)を名乗る人物はこの動画の中で、もし米国が要求に応じなければサマーズ氏を3日以内に殺害すると脅迫している。要求の内容については明らかにしていない。

 イエメン国防省は先週、アルカイダが米国人ジャーナリスト1人、英国人1人、南アフリカ人1人を含む人質を移動させたと発表していた。この数日後に、この米国人の救出を目指し南東部のハドラマウト(Hadramawt)州で救出作戦が行われた。

 動画の中でアンシを名乗る人物は同州での「失敗した作戦」に言及し、それにより複数の戦闘員が死亡したと述べるとともに、米国が「またも間抜けな行動」に出たとあざ笑った。

 一方の米政府は4日、米軍とイエメン軍が最近サマーズ氏の救出を図ったことを認めた。国家安全保障会議(National Security CouncilNSC)の報道官は、「不運にもルークはそこにおらず、他の国籍の人質がいたのでその人々を救出した」と述べた。またホワイトハウス(White House)は、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領が先月、救出作戦を承認していたと発表した。(c)AFP/Hammoud Mounassar with Dan De Luce in Washington