【11月19日 AFP】エルサレム(Jerusalem)で18日、銃と大きな刃物を持ったパレスチナ人2人がシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)を襲撃し、イスラエル人4人を殺害した。犯人らはその場で射殺された。

 礼拝所が攻撃の標的にされるのはまれで、イスラエル全土を震撼(しんかん)させた。激化するイスラエルとパレスチナの対立が宗教的な性格を帯びる恐れもあると懸念する声が広がっている。

 警察によると、殺害された4人はいずれも二重国籍者で、イスラエル人であると同時に3人は米国籍、1人は英国籍を持っていたという。イスラエルの主要な超正統派ウェブサイトは、4人は全員ラビ(ユダヤ教指導者)だったと伝えている。

 事件は18日午前7時(日本時間同日午後2時)の少し前、ハルノフ(Har Nof)地区のユダヤ教の神学校内にあるシナゴーグで発生。男2人が刃物や銃を振り回しながら侵入し、4人を殺害、8人にけがをさせた。目撃者の話によると、腕や脚を切り落とされた人も数人いたという。犯人らは東エルサレムに住むいずれも20代のいとこ同士で、警察との銃撃戦で射殺された。

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相はこの殺傷事件に対し、断固たる対応を取ると述べ、今月発表した新方針にのっとって襲撃犯らの自宅を破壊すると宣言した。またパレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長もこの襲撃を非難したが、イスラム原理主義組織ハマス(Hamas)は歓迎の姿勢を示した。

 識者らは、イスラエルが厳しい報復に出れば、すでに高まっている緊張状態のさらなる激化を招きかねないと警鐘を鳴らしている。(c)AFP/Hazel Ward