【11月13日 AFP】オランダの起業家らが今月3日、仮想通貨「ビットコイン(Bitcoin)」の非接触型決済が可能になるとして、ビットコインのデータが入ったマイクロチップ2つを両手に埋め込んだ。

 マイクロチップを埋め込んだのはビットコインATMを運用する会社、ミスタービットコイン(MrBitcoin)の共同創設者であるマータン・ビスメイヤー(Martijn Wismeijer)氏。チップは、直径2ミリ、長さ12ミリの生体適合性ガラスでできたカプセルの中に入っており、専門家によって特殊な注射器を使用して両手に埋め込まれたという。

 これらのチップは、近距離無線通信(Near Field CommunicationNFC)を使用して微弱な電波信号を発し、それぞれ888ビット分の情報を保存できる。

 ビスメイヤー氏はAFPに対し、「仮想財布というコンセプトの推進のため、こうした実験をやりたかった」と語った。

 このチップはNFCを利用して、基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」搭載のスマートフォン(多機能携帯電話)やタブレットなどの端末との通信が可能。同氏によると「支払い用の端末はスマートフォンのままだが、資金はチップから送信する」という。さらに、現行の口座よりも、「マイクロチップに保存されたものこそ、預金口座ととらえるべきだ」と語った。

 ビスメイヤー氏の他に数人が同じくチップを体内に埋め込んだが、実験は注目を集めたため、安全上の理由により、同氏は一時的に両手の預金を引き出したという。(c)AFP