【11月13日 AFP】ギリシャ北部マケドニア地方アンフィポリス(Amphipolis)で発見された、紀元前4世紀のアレクサンダー大王(Alexander the Great)時代の巨大墳墓から、人骨がみつかった。同国文化省が12日、発表した。

 当局によると、骨の主は「このユニークな墓からうかがうことができる有力者」で、アレクサンダー大王のペルシャ人の妻ロクサーヌ(Roxane)や母オリンピアス(Olympias)、あるいは側近など、さまざまな臆測がなされている。

 文化省によると、この骨は今後「研究者らにより精査」される。今月29日には、発掘作業を率いる考古学者カテリーナ・ペリステリ(Katerina Peristeri)氏が、初の成果発表を行う予定。

 謎に包まれたこの墳墓では、これまでに美しいスフィンクスや複雑なモザイク画も見つかっており、墓の主は非常に位の高い人物だったとの説が有力視されている。ただ、墓がアレクサンダー大王自身のものであった可能性は低いとみられている。

 人骨の発見に先立ち、アンフィポリスの西180キロにあるベルギナ(Vergina)の発掘現場では、アレクサンダー大王の父である古代マケドニアのピリッポス2世(Philip II)の財宝にあふれた埋葬室が1977年に発掘された場所の近くにさらにもう一つのアレクサンダー大王時代の墓が完全な状態で現存していることが確認されている。(c)AFP