【10月27日 AFP】27日の中国国営新華社(Xinhua)通信によると、現在中国で死刑の対象となる犯罪55種類のうち9種類について死刑廃止を求める刑法修正案が、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会に提出された。

 司法制度改革に乗り出している中国は、前週行われた中国共産党中央委員会第4回全体会議(4中全会)で「法に基づく国家統治」(法治)の強化を掲げたが、党が司法に対し行使する影響力は変わらないだろうとの見方もある。

 刑法修正案では、非暴力犯罪9種類が死刑の対象外候補として挙がっており、武器・弾薬・核物質の密輸、通貨偽造、不正行為による資金調達などが含まれている。

 中国では銀行融資の大半は国が管理しており、民間事業が資金を得るのが難しいことも多い。こうした状況下で、違法な資金調達に対し死刑が科されることについては、中国国内で特に議論となってきた。

 昨年には実業家の曾成杰(Zeng Chengjie)氏が不正な資金調達と、投資家らから約4億6000万ドル(約500億円)をだまし取った罪で有罪となり、事前に家族に知らされることなく銃殺刑に処された。この後、同氏の弁護士は、国が差し押さえを行っていなければ、同氏は債務を十分返済できるだけの資産を持っていたと主張した。また顧客から7000万ドル(75億円)をだまし取ったとして、39歳の女性実業家が死刑となる例もあった。(c)AFP