【10月27日 AFP】ウクライナで26日に投開票が行われた最高会議(議会)選挙で、映画『スター・ウォーズ(Star Wars)』の悪役「ダース・ベイダー(Darth Vader)」が候補として再び登場した。

 5月のウクライナ大統領選にも立候補を表明していた「ダース・ベイダー」だが、この時は選挙管理委員会から出馬を却下された。しかし、「シスの暗黒卿(Sith Lord)」ことダース・ベイダーが戦わずして去るわけにはいかない。この日の最高会議選では、インターネット上の自由などを訴える小政党「ウクライナ海賊党(Pirate Party)」から、実に6人の「ダース・ベイダー」が出馬を果たした。

 さらにウクライナ海賊党は、保健相の座に就かせようと同じく『スター・ウォーズ』から、全身毛むくじゃらの巨人、「チューバッカ (Chewbacca)」を立候補させている。

 キエフ(Kiev)の投票所に愛車「ダース・モービル(Darth Mobile)」で乗り付けたダース・ベイダーは、けげんな顔で見つめる受付の女性に対し、地球における自身の身分証明のために黒いマスクをとることは拒否。取り囲む記者たちや写真を撮ろうと携帯電話をかざした見物人らを前に、黒光りしたマスクをかぶったまま「こうした事態は想定していた」と語るも、ダース・モービルから流れる『スター・ウォーズ』のテーマ曲が鳴り響くなか「再び私の権利が侵害されたことに、いまだ失望している」と不満を述べた。

 キエフの投票所に現れたダース・ベイダーは自身を「ダーク・ビクトロビッチ・ベーダー(Darth Viktorovych Vader)」と名乗っているが、本名は「ビクトル・シェフチェンコ(Viktor Shevchenko)」さんだと判明している。

 26日のSNSサイトには、立候補届け出時のダースベーダーとされる写真があふれた。写真は、髪の生え際が後退した男性がダースベーダーの衣装姿にむっつりとした表情でカメラをにらんでいる。部分的にトリミングされた写真に添えられた説明によると、男性は1987年生まれで小規模な会社を経営しているという。(c)AFP/Dmitry ZAKS