【10月26日 AFP】女優レニー・ゼルウィガー(Renee Zellweger)さん(45)の顔が激変したと話題になったことで、ハリウッド(Hollywood)の永遠の問いとされる問題に改めてスポットライトが当たった。「映画スターはどう歳をとれば良いのか」という問題だ。

 今週、ハリウッドでのイベントに登場したゼルウィガーさんの外見は別人と見間違うほど以前と変わっていた。映画『ブリジット・ジョーンズの日記(Bridget Jones' Diary)』(2001)や続編『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月(Bridget Jones: The Edge of Reason)』時代のトレードマークだった、丸い頬にすねたように唇を突き出した顔は、驚くほどしわがなくほっそりした45歳の女性の顔に変わっていた。

 井戸端会議やツイッター(Twitter)などのソーシャルメディアですぐに話題となり、ゼルウィガーさんが受けたであろう美容整形やボトックス(しわ取り注射)に関するコメントがあふれたが、ゼルウィガーさんの健康を心配する声もあがった。女優たちに伝統的な「理想美」を求めるハリウッドのプレッシャーを非難する意見もあった。

■「自然に歳を重ねる」ことがタブー

 米芸能情報サイト「www.awardsdaily.com」のサーシャ・ストーン(Sasha Stone)さんは「ハリウッドでは、女性だったら(美容整形を)しない方がおかしいとされる。仕事が来ない。老けて見えたら、配役ディレクターから声がかからない」と言う。英国やフランスの映画界とは異なり、ハリウッドでは「自然に歳を重ねる」ことはタブーであり、許されない。「これは米国的な現象であり、米国人の執着なのです」

 デミ・ムーア(Demi Moore)さん、ニコール・キッドマン(Nicole Kidman)さん、メグ・ライアン(Meg Ryan)さん、ジェーン・フォンダ(Jane Fonda)さん、メラニー・グリフィス(Melanie Griffith)さん…若々しい外見を保つために整形手術を受けたハリウッド女優たちは枚挙にいとまがない。「皆、整形を受けるのは、主役級のオファーを受け続けたいから。おばあちゃん役をやりたいわけではない」とストーンさんはいう。彼女たちが今も追い求めている理想像は、昨年22歳の若さでアカデミー主演女優賞を受賞したジェニファー・ローレンス(Jennifer Lawrence)さんの姿なのだ。

 2013年に美容整形手術を受けた米国の40~54歳の女性は約700万人に上る。ボトックス注射とまぶたの若返り施術が最も人気がある。

 ビバリーヒルズ(Beverly Hills)で数多くのセレブが訪れる形成外科を開業しているアシュカン・ガバミ(Ashkan Ghavami)医師は、テクノロジーによって俳優たちにかかるプレッシャーは増しただけだという。「映画もテレビも高画質でメークの具合や、しわも分かってしまう。実生活でも良く見せようという重圧は前よりもずっとすごい」。ガバミ医師から見て、ゼルウィガーさんの整形はまぶたを引っ張りすぎていることと、ボトックス注射の打ち過ぎで成功したとはいえないという。

 一方、ゼルウィガーさん本人は、整形手術を受けたことを認めてはいない。

 しかし、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)演劇映画テレビ学部のトム・ヌーナン(Tom Nunan)教授は、ゼルウィガーさんほどの大スターが自分の選択を公に認めることができないことは「悲しいことだ」と述べた。「誰が見ても、こことそこにボトックスをして、まぶたを少しいじって…ということが分かるのに」(c)AFP/SARA PUIG