【10月19日 AFP】「外国による海中での不審な活動」に関する通報を受け、ストックホルム(Stockholm)群島の海域で情報収集作戦を開始したスウェーデン軍は18日、活動を拡大させた。

 軍は、「信頼できる筋」からの情報に基づいて17日夕から、首都ストックホルムから東に約50キロ離れたバルト海(Baltic Sea)の海域で兵士200人以上とステルス艦、掃海挺、ヘリコプターを投入して作戦を実施していた。

 ストックホルムで記者会見を行ったヨナス・ビクストロム(Jonas Wikstroem)海軍准将は、「現場に派遣する部隊を増やすと決定した。特殊なセンサーを持っている部隊を送る」と述べた。

 准将は「われわれは現時点でも、昨日寄せられた情報は非常に信頼度の高いものだと考えている」と述べた一方、すでに開始から24時間以上がすぎた作戦を通じて軍が入手した情報を明らかにすることは拒んだ。

 地元メディアは国内の防衛専門家らの見解として、スウェーデン海軍の軍事演習の監視あるいは偵察用機器の交換のため、外国の潜水艦がこの海域に入っていた可能性があると伝えている。

 社会民主労働党のステファン・ロベーン(Stefan Loefven)党首を首相として今月3日に発足した新政権のペーテル・フルトクビスト(Peter Hultqvist)国防相は、作戦に関するコメントを拒否する一方、地元紙スベンスカ・ダグブラデット(Svenska Dagbladet)に対し、新政権は中道右派の前政権よりも、バルト海での外国軍の活動についてオープンに情報提供をしていく方針だと述べた。

 フルトクビスト国防相は「バルト海周辺で発生している領空侵犯などの事案は、われわれが従来とは違った新たな状況に直面していることを示すものだ」と述べ、「ロシアは軍事力の強化に向け巨額の投資を行ってきており…増強された軍事力の下でより多くの軍事訓練を実施している。それが(スウェーデンを取り巻く)安全保障環境に影響を及ぼしている」との見解を示した。(c)AFP