【10月18日 AFP】アフリカ東部タンザニアの警察は17日、性的能力を喪失するよう「魔女」に呪いをかけられたと信じた男数人に、女性2人が惨殺されたと発表した。

 警察によれば、同国北部シニャンガ(Shinyanga)州のIhugi村で14日夜、自宅で夕食をとろうとしていた80代の女性と45歳の娘の親子が、住民の男たちに襲われ殺害された。親子のせいで自分が性的能力を失ったと考えた村人1人が、襲撃を仕掛けたと疑われており、別の男3人が親子の喉をかき切った後、体をめった切りにしたという。さらに、自分の母親に毒を盛ったとして親子を責めていた40代の男も逮捕された。

 魔法や黒魔術信仰が多くの地域で残っているタンザニアでは「魔女狩り」と称した女性殺しも横行している。前週も同国西部で「魔女」とされた7人が生きたまま小屋ごと焼かれて殺害される事件があった。現地の人権団体「法的権利と人権センター(Legal and Human Rights CentreLHRC)」によれば、毎年500人が「魔女狩り」に遭っており、2005~11年の間に約3000人が殺害された。

 犠牲者の多くは高齢の女性で、目が充血しているために標的とされることが多い。赤い目は魔女の証とされているからだが、その原因の多くは、貧困地域で料理用の燃料として使われる牛ふんにあるとLHRCは説明している。またアルビノ(先天性色素欠乏症)の人々も標的にされることが多いという。(c)AFP