■預言された「カリフ国」

 あるイスラム国支持者はツイッターでこう述べた。「(米軍主導の部隊が)空軍力に失望したならば、われわれはダビクで待っている」

 語り継がれた預言の一部のバージョンでは、イスラムの軍勢は戦いの後、東ローマ帝国の首都だったコンスタンティノープル(Constantinople、現在のイスタンブール、Istanbul)に進軍し、同市を陥落させるとされている。

 そのため、トルコが先週、対イスラム国の戦闘に参加することを決めた際には、一部のイスラム国支持者らから預言の前兆であるとして歓迎の声が上がった。

 預言はイスラム国が、アブムサブ・ザルカウィ(Abu Musab al-Zarqawi)容疑者の下で「イラク聖戦アルカイダ組織」を名乗っていたころより、そのイデオロギーとしての役割を果たしてきた。

 ザルカウィ容疑者は、2006年に米軍の空爆で死亡する前──そして運動がイスラム国となるはるか以前から──、すでにダビクの戦いについて言及していた。

「イラクに火がついた。その炎はダビクで十字軍を焼き尽くすまで広がり続けるだろう」とかつて、ザルカウィ容疑者は述べていた。

 イスラム国は今年、イラクの広い地域を支配下に置き、アブバクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)最高指導者を「カリフ」と宣言して以降、支持者らを結集させるために再び預言に言及するようになった。

 ムハンマドの預言のひとつは「預言の道のりの中でカリフ国」が立ち上がるというもので、バグダディ最高指導者によるカリフ宣言の少し前、イスラム国の広報担当者は「神の約束」は目前だと語っていた。