【10月8日 AFP】二酸化炭素(CO2)排出量の増加により、海洋の酸性度が産業革命前と比べて25%以上上昇し、食料源としての海洋の将来に懸念が出ていると、科学者らが8日、警鐘を鳴らした。

 30人の専門家が、韓国の平昌(Pyeongchang)で開かれている国連(UN)の生物多様性条約(Convention on BiodiversityCBD)締約国会議で発表した報告書によると、海洋の酸性度は、海洋が大気中から吸収する二酸化炭素量を反映し、過去2世紀で26%上昇した。酸性度が上がると、食物連鎖において重要な役割を果たしている貝類やサンゴ礁などカルシウムを産出する生物に被害がもたらされるという。

 102ページに及ぶ報告書によれば、酸性化の帰結は数千年単位で長期化する恐れがある。5600万年前に起きた海の酸性化による海洋生物の大量死の際には、石灰化生物が回復するのに約10万年かかったことが、化石などにより示唆されている。(c)AFP