【9月29日 AFP】カカオ豆の価格が25日、英ロンドン(London)の市場で1トン当たり2187ポンド(約39万円)、米ニューヨーク(New York)の市場で3399ドル(約37万円)と3年半ぶりの高値をつけた。西アフリカで猛威を振るっているエボラ出血熱が、世界有数のカカオ豆の産地で輸出国のガーナやコートジボワールに拡大するのではとの不安が材料視された。

 価格は25日までの2週間で約10%上伸。ニューヨーク市場については、コートジボワールの内戦による供給中断不安で2011年につけた過去最高値(3826ドル=現在の為替レートで約42万円)を更新する可能性も指摘されている。

 調査会社キャピタル・エコノミクス(Capital Economics)のアナリスト、トーマス・ピュー(Thomas Pugh)氏はAFPに対し、「コートジボワールとガーナではエボラの感染例はまだ確認されていない。両国は感染が深刻な国々との国境を閉鎖し、リスク抑制を図っている」と述べる一方、「カカオ豆の収穫作業に当たる労働者の多くは感染国から移動してくるため、これらの労働者が不足なら供給に悪影響が及びかねない。これが価格上昇の原因と思われる」とコメントした。

 ガーナとコートジボワールのカカオ豆生産量は世界全体の60%を占め、西アフリカは世界の供給量の72%に寄与している。ピュー氏は「両国がエボラで深刻な影響を受けた場合、価格が2倍に急騰する可能性もある」と付け加えた。(c)AFP/Jessica BERTHEREAU