【9月14日 AFP】モンスーンによる豪雨の影響で洪水に見舞われたインド北部カシミール(Kashmir)地方では13日、水が引き始めた被災地で深刻な被害の実態が明らかになりつつある。パキスタン領内でも大きな被害が出ており、当局者らによると、洪水によって20万人余りの住民が依然孤立しているが、救助活動は難航している。

 通常は風光明媚な観光地として知られるジャム・カシミール(Jammu and Kashmir)州の夏の州都スリナガル(Srinagar)は、約一世紀ぶりの深刻な洪水で「完全に水没」(同州幹部)した。道路には洪水の犠牲になった動物の死骸が放置されており、街中には死臭が漂っており、伝染病の発生も懸念されている。

 同州災害対応部隊の隊長はこの日スリナガルから電話でAFPの取材に応じ、被害状況について「洪水というより津波だ」とコメントした。

 洪水と地滑りによる死者はインド・パキスタン両国で少なくとも480人に達した。ただし両国の当局者らは、依然として不通になっている道路が多いため、被害規模を判断するのは時期尚早だとしている。(c)AFP/Bhuvan BAGGA