【9月4日 AFP】米女優らのヌード写真がインターネット上に大量流出した事件で、専門家らは3日、写真を流出した人物らを児童性犯罪を含む罪状で訴追することが可能であり、また訴追するべきだと提言した。

 アカデミー賞女優のジェニファー・ローレンス(Jennifer Lawrence)さんや、少なくとも1人の未成年被害者を含む写真の流出は、嫌がらせや性的暴行として訴追される可能性もある。

「これは性的攻撃で女性をモノとして扱う行為。犯人は訴追されるべき」と心理療法士のジュディ・ブルーム(Judi Bloom)氏は語る。

 人気歌手リアーナ(Rihanna)さん、モデルのケイト・アプトン(Kate Upton)さん、女優のキルスティン・ダンスト(Kirsten Dunst)さんらを含む多数のスターの画像がインターネット上に投稿されたのは前週末。米アップル(Apple)は「標的を絞った攻撃」があったことを認めたが、同社のクラウドサービスに侵入されたということは否定した。

 事件については強い非難の声も上がっているが、一方で逆の意見を述べる人もいる。

 米紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)のコラムニスト、ロビン・アブカリアン(Robin Abcarian)氏は、「セレブで、デジタル写真のためにヌードポーズをとったのなら、私的なものであり続けることを期待してはならない」と述べている。

■サイバーハラスメント

 だが写真を盗まれインターネット上に公開されたセレブらを擁護する人々は多い。

 映画「ハリー・ポッター(Harry Potter)」シリーズに出演した女優のエマ・ワトソン(Emma Watson)さんは「ソーシャルメディアで女性のプライバシーが侵害されたのを見るよりも最悪なのは、それに関連した共感の欠けたコメントを読むこと」とコメントした。

 テレビシリーズ「ガールズ(Girls)」の製作者で女優のレナ・ダナム(Lena Dunham)さんは「覚えていて。これらの写真を見るとき、あなたは彼女たちを繰り返し侵害している。良いわけがない。写真を盗んで流出させた人物はハッカーじゃない。性犯罪者だ」と述べた。

 2年前、女優のスカーレット・ヨハンソン(Scarlett Johansson)さん、ミラ・クニス(Mila Kunis)さんらセレブたちの写真をインターネット上で盗むという同様の事件があったが、その犯人は禁錮10年の実刑判決を受けた。

 芸能情報サイトTMZによれば、女優で元五輪体操選手のマッケイラ・マロニー(McKayla Maroney)さんの流出した画像は一部、未成年の時に撮影されたものだったという。ロサンゼルス・タイムズ紙によれば、流出した人物には児童ポルノ容疑がかけられる可能性もある。

■一般人も注意が必要

 米国では2008年、18歳のジェシカ・ローガン(Jessica Logan)さんが画像を流出され首つり自殺する事件があった。流出した画像はローガンさんの元恋人が、ローガンさんと別れた後に大勢の人に送付していた。

 女性が被害者となることが多いが、男性が被害者になることもある。2010年、18歳だったタイラー・クレメンティ(Tyler Clementi)さんは、男性の恋人と一緒に撮影された写真をルームメートに流出され、投身自殺した。(c)AFP/Veronique DUPONT