【8月28日 AFP】国際通貨基金(International Monetary FundIMF)のクリスティーヌ・ラガルド(Christine Lagarde)専務理事は27日、仏財務相だった2007年に行ったとされる職権乱用疑惑をめぐり、職務怠慢容疑で正式捜査を受けていることを、AFP通信が独占的に入手したコメントの中で明らかにした。

 仏共和国法院はこの前日、ラガルド氏を15時間以上にわたり聴取。ラガルド氏が聴取を受けるのはこれが4度目で、同疑惑はIMF専務理事としての地位に長きにわたって影を落としている。

 フランスでは、正式捜査の下に置かれるということは訴追されることにほぼ等しく、予審判事が立件を決定した時に行われる。ただし、必ず裁判に到るとは限らない。

 同氏は、IMF専務理事を辞任する意向はあるかとの質問に「いいえ」と応えた。だが、同氏の進退は今後、IMF理事会の手にゆだねられることになる。

 ラガルド氏に対する疑惑は、ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)前政権で財務相を務めていた時に、元政治家で実業家のベルナール・タピ(Bernard Tapie)氏と旧国営銀行クレディ・リヨネ(Credit Lyonnais)との間で起きた係争に不正に介入したとされるもの。調停の結果、タピ氏には公的資金から4億ユーロ(約550億円)の賠償金が支払われており、これが2007年大統領選でのサルコジ氏への支持の見返りとして支払われた可能性が、予審判事らによって疑われていた。

 ラガルド氏は「3年にわたる手続きを経た今、唯一残っている疑惑は、長期に及ぶタピ訴訟を終わらせることになった調停を、私の不注意のために阻止できなかったかもしれないということだけだ」と指摘している。職務怠慢罪が確定されれば最大で禁錮1年、罰金1万5000ユーロ(約200万円)が科されることになる。(c)AFP/ Andréa BAMBINO