【8月25日 AFP】ウクライナ東部の親ロシア派武装勢力は24日、首都キエフ(Kiev)で政府が独立記念日を祝い実施した軍事パレードに対抗し、捕虜にした政府軍兵士数十人を公衆の面前で強制的に行進させた。

 キエフの独立広場(Independence Square)で行われたパレードでは、ペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領が数千人を前に演説し、ロシアの「侵略」を非難するとともに、「ウクライナのため、独立のための戦いが、われわれの成功となることを確信している」と述べた。

 一方、親露派の拠点都市ドネツク(Donetsk)市中心部のレーニン広場(Lenin Square)では、行進させられた40~50人の捕虜の兵士らに対し、見物人がごみや空瓶を投げ付け、「お前らは子ども殺しだ」などと罵声を浴びせた。兵士らはその後、2台のバスに乗せられてどこかへと連れ去られた。

 この悲惨なシーンは、1944年にモスクワ(Moscow)で捕虜のナチス兵士数千人が旧ソ連の独裁者ヨシフ・スターリン(Joseph Stalin)の命令で行進させられた有名な場面を思い起こさせるために計画されたとみられる。

 米ニューヨーク(New York)に拠点を置く国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights WatchHRW)のレイチェル・デンバー(Rachel Denber)氏はツイッター(Twitter)で、このような行為は捕虜に対する「屈辱的かつ下劣な取り扱い」であり、ジュネーブ条約(Geneva Convention)違反と指摘している。(c)AFP/Nicolas GAUDICHET with Oleksandr SAVOCHENKO in Kiev