【8月24日 AFP】エクアドルのガラパゴス諸島(Galapagos Islands)で最もひんぱんに撮影された野生動物の一つとして有名になったゾウガメ「伝道者ペペ(Pepe the Missionary)」が、60歳で死んだ。関係者らが22日明らかにした。

 ガラパゴス国立公園(Galapagos National Park)の生態系担当幹部のビクトル・カリオン(Victor Carrion)氏は、インタープリテーション・センターの柵内に生息していたペペは老衰で死亡したと語った。

 また、同国立公園理事長のアルトゥロ・イスリエタ(Arturo Izurieta)氏は短文投稿サイトのツィッター(Twitter)に「60年生きた伝道者ペペは、わたしたちの記憶に永遠に残るだろう」と投稿。その上でペペと同じ種のゾウガメに絶滅の危機はないと述べ、自然保護に取り組んでいる人々を安心させた。

 ペペは、イサベラ(Isabela)島のウォルフ火山(Wolf Volcano)原産のベックゾウガメ(Chelonoidis becki)。原産地の現在の生息数は約2000頭とされる。

 ペペは1940年代にサンクリストバル(San Cristobal)島で、ある一家によって保護された。最初に地元の漁師から「ペペ」と名付けられ、その後1967年同島のフランスシスコ会修道士らの手に渡り、名前が「修道士ペペ」と長くなった。修道士らのマスコットとなり、村のペットとして愛されたペペは、修道士らのもとを訪れる人々によって何度も写真に撮影されたり、えさをもらったりしていた。

 修道士らは2012年にペペをガラパゴス国立公園に引き渡した。この年、同国立公園ではガラパゴスゾウガメの亜種ピンタゾウガメ(Geochelone nigra abingdoni)の最後の一匹として有名だった「ロンサム・ジョージ(Lonesome George、独りぼっちのジョージ)」が死んだ。

 ガラパゴス諸島は、その独自の動植物が、進化論を提唱したチャールズ・ダーウィン(Charles Darwin)によって研究されたことで知られる。(c)AFP