【8月23日 AFP】リトアニアの国有エネルギー企業リトガス(Litgas)とノルウェーのエネルギー大手スタトイル(Statoil)は21日、液化天然ガス(LNG)供給契約を締結した。

 この契約に基づき、スタトイルは2015年から5年間、リトアニアがバルト海(Baltic Sea)沿岸のクライペダ(Klaipeda)港に建設中のLNGターミナルに年間5億4000万立方メートルのLNGを供給する。リトアニアのLNG輸入を担うリトガスによれば、契約額はおよそ25億~30億リタス(約1000億~1200億円)に上るとみられる。

 ロシア産エネルギーへの依存度引き下げを図るリトアニアは年末にもターミナルを稼働させ、2015年1月には操業を開始する予定だ。ノルウェーからの最初のLNGタンカーの到着は、2014年12月中になると見込んでいる。

 旧ソ連の一部だったリトアニアは現在、旧ソ連時代の取り決めにより天然ガス需要の全てをロシア政府系天然ガス企業ガスプロム(Gazprom)から調達しているが、1990年の旧ソ連からの独立、2004年の北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)加盟後、天然ガス調達先の多様化を模索してきた。

 リトアニアが国際裁判所に提訴したことを受けて、ガスプロムは今年5月、リトアニア向け天然ガス価格を約20%下げることに同意していた。

 契約締結を受け、リトアニアのアルギルダス・ブトケビチェス(Algirdas Butkevicius)首相は記者団に対し、「リトアニアのエネルギー安全保障の強化に向けた大きく、かつ重要な一歩だ。わが国の史上初めて、輸入する天然ガスの長期的な代替調達先を手に入れた」と語った。(c)AFP