【8月14日 AFP】紛争が彼らの家や、彼女の白いドレスなどを破壊したが、ヘバさんとオマルさんは2人の幸せな未来を何ものにも妨げさせないと誓い合った。

 だから2人は結婚した。パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)にある避難民キャンプ内の国連(UN)運営の学校で。

 飾り付けは色とりどりの風船で、女性たちのうれし泣きが響き渡る中、ガザ(Gaza City)市のシャティ(Shati)避難民キャンプ内の学校は、避難所からパーティー会場に変わった。

 イスラエルとガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)の72時間の停戦が残り数時間を迎える中、若いカップルは2人の愛を祝福するため悲しみや悼みを吹き飛ばした。

「こんな状況で誰かが結婚式を挙げるという話を聞いたら、一瞬たりとも信じなかったわ!」とヘバさんは式の前日、ヘアサロンで長い髪のセットをされながら語った。

「全部計画した。音楽も、招待客も、ドレスもブーケも。そして今日、私はここにいる。何千人もの避難生活者がいる学校で結婚する」

 23歳のヘバ・ファヤドさんと30歳のオマル・アブナマルさんは、ガザ地区北部ベイトラヒヤ(Beit Lahiya)のヘバさんの実家で、来月挙式する予定だった。

 だが紛争が訪れ、計画は破棄された。

 ヘバさんの実家はイスラエル軍の戦闘機の爆撃で破壊され、結婚生活のために買った品々、ドレス、アクセサリー、花は巻き上がる煙の中に消えた。