【8月1日 AFP】2020年に火星に向かう米航空宇宙局(NASA)の次期ロボット探査車に搭載される最新機器類の中には、二酸化炭素(CO2)から酸素を作る装置が含まれる予定だ。

 米マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of TechnologyMIT)が設計するこの「火星酸素現地資源利用実験装置(Mars Oxygen ISRU ExperimentMOXIE)」は、火星大気を宇宙飛行士が呼吸できるように変換することが可能かどうかの調査を目的としている。

 NASAはこれまで、ロボット探査車を次々と火星に送り込んでおり、直近では2012年にキュリオシティー(Curiosity)が打ち上げられ、火星に到着。さらに2030年代までには、火星表面の有人探査を実現させたい方針だ。

 NASA有人探査部門のウィリアム・ゲルステンマイアー(William Gerstenmaier)副主任は「2020年の探査車は、宇宙飛行士らが直面する火星環境に関する疑問に答えを出したり、火星への着陸、探査、帰還の前に必要になる技術をテストしたりする助けになるに違いない」と話している。

 また2020年の火星探査車は「将来のミッションで地球に持ち帰るために保管される岩石や土壌のサンプル群を特定して選定する」ことも目的としている。

 さらには「探査車の着陸地の地質学的な評価を行い、火星環境の潜在的な居住可能性を判定し、太古の火星生命の痕跡を直接的に探査する」予定だという。

 この他、2020年の無人探査車への搭載が提案されている機器には、化学組成や鉱物の分析や有機化合物の検出に用いる高性能のカメラと分光計などがある。

 またNASAによると、気温、風速と風向、気圧、相対湿度、塵(ちり)などの分析を行うための地中探知レーダーと各種センサーも搭載される予定だという。

 NASAが科学機器として選定した技術提案にかかる総費用は1億3000万ドル(約134億円)とみられている。(c)AFP