【7月29日 AFP】東京国立博物館(Tokyo National Museum)で開催中の台北(Taipei)・故宮博物院(National Palace Museum)展のポスターをめぐって延期されていた台湾の馬英九(Ma Ying-jeou)総統夫人の周美青(Chow Mei-ching)氏の来日が確定した。故宮博物院が28日、明らかにした。

 周氏は当初、先月末に開幕した台北・故宮博物院展の開幕式に出席する予定だった。だが開幕まで1週間を切った時点で、同展のポスターやチケットに記載された故宮博物院の表記に「国立」の文字が入っていなかったことを問題視した博物院側が同展の中止をほのめかし、周氏の来日延期が発表された。

 東京国立博物館側がポスターなどに「国立」の文字を入れなおしたことで問題は開催直前に回避されていた。台北・故宮博物院の馮明珠(Feng Ming-chu)院長は28日の記者会見で、「東京国立博物館の錢谷真美(Masami Zeniya)館長が周氏を招待し、周氏も招待を受諾した」と語った。

 台北・故宮博物院の展覧会が台湾外での開催は、アジアでは同院の文化財231点を集めた今回の日本が初めて。

 1949年の中華人民共和国成立によって大陸から分断した台湾を国家と承認している国は22か国のみで、その呼称や政治的立場は、台湾にとって微妙な問題となっている。(c)AFP