【7月25日 AFP】米国に寄港するクルーズ船内では、性的暴行が「よくありがちな」出来事となっている――運航会社が宣伝するような楽しく、陽気なイメージとはかけ離れた船旅の実態が、23日の米上院委員会で明らかにされた。

 同日開かれた上院の商業科学運輸委員会の公聴会には性的暴行の被害者を含め複数の証人が出席した。同委員会はクルーズ船の乗客の権利を強化するための法整備を検討している。

 カリブ海(Caribbean)でのクリスマス・クルーズで性的暴行を受けた10代の自閉症の少女の弁護士で非営利団体(NPO)「全米犯罪被害者センター(National Center for Victims of Crime)」の代表でもあるフィリップ・ガーソン(Philip Gerson)氏は「若い女性たちにとって、クルーズ船内は安全だと思っているのなら、考え直した方が良い。安全ではない」と話した。

 ガーソン氏はまた、クルーズ船の運航会社は、強盗や交通事故といった陸地での危険から離れ、安全で楽しい船旅を約束するという「誤解を与える宣伝活動」を展開していると指摘した上で、「だが性犯罪がありふれている状況となっており、被害に遭う危険性は高い」と話した。

 一方、クールズライン国際協会(Cruise Lines International AssociationCILA)によると、クルーズ産業は世界の観光業において最も急速に成長している分野で、毎年2200万人の利用客を集めているという。

 だがここ数年は、2012年のイタリアのクルーズ船コスタ・コンコルディア(Costa Concordia)号の座礁など、複数の事故などによって、クルーズ産業は影響を受けている。

 23日の公聴会でCILAの関係者は証言しなかったが、AFPへの声明の中で、上院の公聴会では、クルーズ産業と船旅の安全性の「歪められた姿」が伝えられたと述べた。

 また、利用客の70%がリピート客であると主張し、「クルーズ船の乗客たちは素晴らしい経験をしている」、「ともかく、クルージングは非常に安全だ」としている。(c)AFP/Robert MACPHERSON