【7月24日 AFP】刃物を振り回す暴漢に鉢合わせたら、市民は「急いで逃げるべき」――中国政府が22日に発表した「国民テロ対策ハンドブック」最新版にはこのようなアドバイスが記載されている。

 その一方で、腕に覚えのある人のために書かれた「阻止するために最善を尽くす」の章では、「複数の人と協力」し、「ハンドバッグ、服や傘など使えるものを活用」するよう提案している。

 不気味な笑みを浮かべ、爆弾を抱えて刃物を振り回す、太ったテロリストのイラストが描かれたハンドブックは、全45ページの小冊子。市民に対して「不自然な行動」や「異臭」、そして近隣住民が出す「不審な音」に注意を払うよう呼び掛け、また病院やスーパーでは全方向を確かめ、「異常な会話」などが聞こえないか、疑わしい行為が見られないかを確認するよう促している。

 さらに警戒心の高い市民に対しては、「携帯電話で怪しい人物の写真を撮る」ことも奨励しているが、安全を優先し「相手に見つからないよう」気を付ける必要があるとしている。

 また、刃物によるテロ攻撃に遭遇した際には「立ち止まって傍観せず」、すぐに走って逃げ、近くの建物や木の陰に隠れるよう勧めている。

 この冊子はこれまで、国内の大都市のほか、イスラム教徒が住民の大半を占める西部の新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)で配布されている。

 新疆ウイグル自治区およびその周辺では、暴力的な事件が増加しており、政府当局は神経をとがらせている。これらの事件について中国政府は、その多くは自治区の分離独立を目指す過激派に責任があると非難している。(c)AFP