【7月9日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)で8日、イスラエル軍がイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)の戦闘員らを標的とした空爆などを行い、緊急対策当局によると27人が死亡、100人以上が負傷した。これは2012年以降、同地区で報告された犠牲者数としては最多となった。

 空爆では、8歳の子ども1人と10代の若者2人を含む23人が死亡。さらにイスラエル軍は、同地区のすぐ北にある軍事基地に海側から攻撃を仕掛けたハマスの戦闘員4人を射殺した。ハマスの軍事部門イザディン・アルカッサム(Ezzedine al-Qassam Brigades)は基地への攻撃を認め、カチューシャロケット弾10発を発射したことを明かしたが、味方の死傷者については触れておらず、代わりにイスラエル側に多数の犠牲者が出たと発表している。

 多数の死者を出したイスラエル軍の本格攻撃は、イスラエル側が「境界防衛作戦(Operation Protective Edge)」の展開を発表した数時間後から始まった。同作戦は、イスラエル南部に向けたロケット攻撃を封じ込み、ハマスの軍事施設を破壊することを目指している。

 空爆を受け、ハマス側は人口密集地であるイスラエルのテルアビブ(Tel Aviv)と聖地エルサレム(Jerusalem)に向けロケット弾を発射。イスラエル軍報道官によると、同国に向けロケット弾120発が発射され、そのうちの23発はミサイル防衛システム「鉄のドーム(Iron Dome)」によって迎撃された。残る90発余りの大半は空き地に落ちて被害は出ていないとしている。(c)AFP