【7月9日 AFP】ソマリアのイスラム過激派組織「アルシャバーブ(Shebab)」が8日遅く、大統領官邸に大規模な爆弾攻撃を行った。厳重な警備を突破して構内に侵入、自爆攻撃を行ったという。

 当局によると、国際社会からの支持を受けているハッサン・シェイク・モハムド(Hassan Sheikh Mohamud)大統領とアブディウェリ・シェイク・アフメド(Abdiweli Sheikh Ahmed)首相は事件発生当時官邸内にはいなかったとして、「両氏共に無事」だという。治安筋の話では、アフリカ連合ソマリア・ミッション(African Union Mission in SomaliaAMISOM)の2万2000人の部隊が両氏の警護に当たっているとしている。

 ある治安当局者は、「少なくとも9人が攻撃を仕掛け、全員死亡した。事態は沈静化し、攻撃は終わっている」とした上で、「戦闘終結間際に8回の爆発があり、いずれも自爆攻撃だったとみられる」と話している。

 国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)とつながりのあるアルシャバーブの報道官はAFPに対して犯行を認めると同時に、ビラ・ソマリア(Villa Somalia)と呼ばれる大統領官邸の中にある大統領執務室の制圧に戦闘員らが制圧したと語った。「作戦展開中に敵側は多くの犠牲者を出し、作戦は現在も続行中だ。外国からの支援で樹立された政府は警備を厳重化したと公言していた以上、今回の攻撃の成功はわれわれの勝利だ」と語った。

 警察によると、武装集団は2方向から官邸への襲撃を開始。まず建物の裏で大きな爆弾を爆発させ、その後別の入り口から突入したという。攻撃が始まったのはイスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」中の日没後の食事「イフタール(iftar)」の時間帯の直後だった。

 当局側の具体的な犠牲者数は公表されていない。また、ソマリアに部隊を派遣しており、大統領官邸付近にあるジブチ大使館も直接攻撃を受けたという報道もあるが確認は取れていない。ジブチはソマリアに軍を送っている。(c)AFP