【7月8日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王は7日、聖職者による児童性的虐待の被害者らと初めて面会し、犠牲者の自殺に深く胸を痛めていると吐露するとともに、教会にはびこる「恐るべき闇」を白日の下にさらしてくれたことに対する謝意を表した。

 長く待ち望まれていたこの面会で法王は、世界中で数万人規模に上るとされる犠牲者らに心を寄せ、児童虐待という「甚大な犯罪行為」と、隠蔽(いんぺい)を図った教会の共犯行為について謝罪した。

 被害者らの代表として英国とドイツ、アイルランドから訪れた男女各3人は、サンピエトロ大聖堂(St Peter's Basilica)に近い法王の住居で一夜を明かし、翌朝法王と朝食を共にした。その後法王と1人1時間ずつ個別の面会を行った。

 バチカン(ローマ法王庁)のフェデリコ・ロンバルディ(Federico Lombardi)広報局長は、今回面会が実現したことで「傷を癒やす」ための「建設的な道が開かれる」ことを期待していると述べた。

 過去10年にわたりカトリック教会に影を落としてきたこの問題について、法王の対応の遅さを批判してきた犠牲者らの支援団体にとって、今回の面会は待ちに待ったものだった。

 法王は5月、聖職者による児童の性的虐待を「悪魔崇拝のミサ」に通じる犯罪だと断じ、「一切容赦しない」と誓っていたが、被害者らからは、情の厚さで知られる法王がなぜ面会に応じないのか、疑問視する声が上がっていた。(c)AFP/Ella IDE