【7月4日 AFP】4日から準々決勝が始まるサッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)に、観戦チケット違法販売スキャンダルの衝撃が走っている。

 国際的な販売組織を捜査中のブラジル警察当局は、売上総額が数百万ドルに上るとされる数千枚規模の違法販売チケットの出所が、国際サッカー連盟(Federation Internationale de Football AssociationFIFA)内部の関係者だと断定している。

 警察幹部のファビオ・バラック(Fabio Barucke)氏によると、外国籍とされる氏名未特定のこの関係者は、W杯開催中のFIFA公式ホテルの一つ、「コパカバーナパレス(Copacabana Palace)」に滞在しているという。

 この人物は、W杯をはじめとする大型スポーツイベントの公式チケット販売業者「マッチ・ホスピタリティー(Match Hospitality)」の仲介人を通して、闇市場にチケットを流したとされる。

 警察は1日、FIFAと接点のある人物から入手したと考えられるチケットを販売した容疑で11人を逮捕。バラック氏によると、それまではFIFAへの直接連絡は避け、極秘捜査を行っていたが、逮捕後は「コパカバーナパレスに滞在している外国籍のFIFA関係者を特定するため、FIFAに協力を要請している」という。

 W杯64試合の1試合ごとに、1000枚ものチケットが違法販売された恐れがあり、古くは3大会前、2002年の決勝戦からこの一連の詐欺行為が始まっていたともみられている。地元紙ジア(O Dia)によると、この違法販売組織は1大会につき最高9500万ドル(約97億円)を稼いでいた可能性もある。(c)AFP/Rob Woollard