カナダ原油輸送列車脱線から1年、復興計画に揺れる住民たち
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【7月2日 AFP】カナダのケベック州(Quebec)ラックメガンティック(Lac-Megantic)で2013年7月6日に原油輸送列車が脱線・爆発し、死者47人を出した事故から約1年──列車は再びこの町を走り始めたが、多くの地元住民はあまり歓迎していない。
景観美しい湖畔の町だったラックメガンティックは、同国で過去15年間に起きた最悪の事故により一変してしまった。被害は、2.5平方キロメートルに及んだという。
現在、この町を走るのは、木材を積んだ列車のみとなっている。しかし、大きな工事現場のようになってしまったこの町の住民6000人を不安にさせるには、それでも十分すぎるほどだという。
「みんな嫌がっているよ」と、事故現場から50メートルの場所で食料品店を営むエディスさんは述べる。
列車は720万リットルの原油を米ノースダコタ(North Dakota)州からカナダ東部へ運ぶ途中に脱線。爆発後の炎上を鎮火するのには2日を要した。
1年が経過した現在も、犠牲者7人の遺体は身元の確認がとれない。
事故後、有害な物質を積んだ列車がこの町を通過することは禁止されている。しかし「黒い車両が戻ってくるのは時間の問題とみんな思っている」とエディスさんは言う。黒い車両とは、原油を積んだ列車のことだ。
エディスさんのパートナーのジョスリンさんは、町の未来について住民たちの意見が割れているとし、「もう列車が通ることがなくなれば、ここはゴーストタウンになるだろう」と話した。
地元企業は、ここで伐採される木材を運び出すために列車に頼らざるを得ない。事実、事故後に最初に復旧されたインフラの1つは線路だった。