【6月30日 AFP】(一部更新)英国を拠点とする非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」は29日、シリアで活動するイスラム過激派組織が、対立するシリア反体制派の戦闘員8人を公開処刑し、遺体をはりつけにしたと発表した。

 同監視団によると、シリア・アレッポ(Aleppo)県東部Deir Haferで28日、「イラク・レバントのイスラム国(Islamic State of Iraq and the LevantISIL)」から組織名を変更したイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic State)」が、男性8人を処刑。8人の遺体はその後はりつけにされ、広場にさらされた。遺体は3日間放置されるという。


 人権監視団によると、8人が所属していたシリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権と戦う反体制派グループは、このイスラム過激派組織とも対立していたため処刑された。

 さらに同日、トルコ国境に近い同県アルバーブ(Al-Bab)でも、男性1人が見せしめとして生きたまま8時間、はりつけにされたが、命はとりとめたという。

 ISILがシリア内戦に初めて加わったのは昨年春で、当初はアサド政権打倒を目指すシリア反体制派の一部に戦闘経験を買われ、歓迎されていた。しかしすぐにISILの残虐行為に対し、イスラム勢力も含めた反体制派が反発、ISILと対立するようになった。

 その後、反体制派は今年1月に大規模な対ISIL作戦を立ち上げ、シリア北部のアレッポ県の大半とイドリブ(Idlib)県全体からISILを追放した。しかし、ISILはシリア国内で拠点とするラッカ(Raqa)とイラク国境に近い北東部デリゾール(Deir Ezzor)に深く根を下ろし、とどまっている。(c)AFP