【6月29日 AFP】アフガニスタンの治安部隊は28日、南部ヘルマンド(Helmand)州で続いていた旧支配勢力タリバン(Taliban)との戦闘に勝利したと発表した。米軍が主導する北大西洋条約機構(NATO)軍が完全撤退に向けた準備を進める中、今回の戦闘は治安部隊にとって、その力を試す機会ともなった。

 タリバンは今月19日以降、アヘンの生産が盛んで過去およそ13年にわたって激しい戦闘が続いてきた同州サンギン(Sangin)地区周辺に少なくとも800人の戦闘員を投入。攻撃を開始した。

 アフガニスタン内務省のセディク・サディキ(Sediq Sediqqi)報道官はAFPに対し、「攻撃を仕掛けた地域を制圧しようとのタリバンのもくろみは、完全に失敗に終わった。およそ260人のテロリストが死亡した」と述べた。同氏によると、治安部隊の側にも28人の死者が出たという。

 一方、同州に展開している部隊の高官も報道官の発表に先立ち、今回の攻撃で最初に標的とされたカジャキ(Kajaki)とナウザド(Nawzad)、ムサカラ(Musa Qala)の3地域で、治安部隊がタリバンを撃退したことを明らかにした。

 しかし、タリバンのユスフ・アフマディ(Yousuf Ahmadi)報道官はAFPに対し、治安部隊側の見解を否定。サンギン地区では依然、戦闘が続いていると主張した。(c)AFP