スアレス「かみつきはなかった」
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【6月29日 AFP】対戦相手にかみついてサッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)からの追放が決まったウルグアイ代表のルイス・スアレス(Luis Suarez)について、国際サッカー連盟(FIFA)の報告書がまとまり、スアレスがバランスを崩しただけでかみついてはいないと主張していることがわかった。
27歳のスアレスは、W杯グループDのイタリア戦で、ジョルジョ・キエッリーニ(Giorgio Chiellini)にかみついてFIFAの規律委員会から4か月のサッカー活動停止を命じられた。AFPが確認した報告書によれば、スアレスは「意図的で一方的な」行為に及んだとされている。
一方のスアレスは、同じ報告書で委員会に対し「バランスを失って対戦相手(キエッリーニ)の上に落ちた」と主張している。
「その瞬間、顔がその選手にぶつかり、小さなあざができて、歯に鋭い痛みが走った。かみついた、もしくはかみつこうとしたと表現されるようなことは何一つ起こっていない」
問題の場面のテレビ映像によれば、キエッリーニの肩にははっきりと歯形が残っていた。スアレスは過去に2度、かみつき行為により出場停止処分を受けている。
FIFAの規律委員会は26日、スアレスに対して、9試合の国際試合出場停止と4か月間すべてのサッカー活動を禁止する処分、さらに10万スイスフラン(約1100万円)の罰金を科した。ウルグアイサッカー協会(Uruguayan Football Association、AUF)と同国政府は、この処分に対して怒りを示している。
しかし、複数のメディアに漏れたFIFAのスペイン語の最終報告書では、スアレスの行為に対して厳しい評価が下されていた。
報告書では「違反行為が対戦相手の選手に対して直接行われた。ボールを争う場面ではなく、違反は故意に、また意図的かつ一方的に行われた」と述べられている。
「かみつくことで、意図的に相手選手の肉体を傷つける行為は、サッカーとは完全に異質なものであり、明らかにフェアプレーやスポーツ倫理の原則に違反している」
大会から追放されたスアレスは、現在は家族の元へ戻っている。そのスアレスは28日、自身のツイッター(Twitter)に「みなさんからいただいた惜しみない愛と後押しに感謝するため」のつぶやきを投稿した。
「僕自身も家族も本当に感謝している。僕の側に立ってくれて本当にありがとう。みんな、今日のコロンビア戦ではチームメートを支えてほしい」
(c)AFP