【6月21日 AFP】近年のサッカーW杯では、1試合当たりのゴール数が減る傾向にあったが、今回のブラジル大会(2014 World Cup)はこの流れに著しく逆らっている。

 大会開幕から1週間が経過した19日時点で、1試合当たりの平均ゴール数は2.9を記録しており、1958年スウェーデン大会(1試合平均3.6)以来のハイスコア大会となりつつある。

 ここでは、この意外なゴールラッシュの背後にある要因を考えた。

■「ティキ・タカ」の遺産

 前回王者スペインは、18日のチリ戦で大会敗退が決まったが、傑出した国際舞台での覇権は欧州選手権(UEFA Euro)とW杯を合わせると6年にわたり、各国代表チームのプレースタイルに大きな影響を与えた。

 スペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)とスペイン代表によって開拓されたパスをつなぐスタイル「ティキ・タカ(Tiki Taka)」は、世界中で模倣され、現在では積極的に仕掛ける攻撃的サッカーとアグレッシブなハイプレスが広まっている。

 スペイン代表のシャビ・エルナンデス(Xavi Hernandez)とアンドレス・イニエスタ(Andres Iniesta)に代表されるこのスタイルで、選手たちはリスクを取ってポゼッションすることに慣れているが、これが逆にカウンターを生みやすくしており、多くのゴールにつながっている。