【6月21日 AFP】ドイツ代表のジェローム・ボアテング(Jerome Boateng)とガーナ代表のケヴィン・プリンス・ボアテング(Kevin Prince Boateng)は、21日に行われるサッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)の試合で再び対戦し、兄弟愛を一旦忘れて最後まで戦うことになる。

 異母兄弟の2人はともに独ベルリン(Berlin)生まれだが、27歳のケヴィン・プリンスは2009年に父親の母国の代表選手としてプレーする道を選んだ。

 兄弟でドイツU-21代表を経験したものの、ケヴィン・プリンスがガーナ代表を選んだ理由は、出場機会に恵まれず失望したことだった。

 ボアテング兄弟は普段、テキストメッセージサービス(SMS)や電話で連絡を取り合っているが、フォルタレーザ(Fortaleza)で行われるグループGの試合を控え、お互いに沈黙を守っている。

 ドイツ・ブンデスリーガ1部のバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)に所属するジェロームは、「最近はまったく連絡を取り合っていない。お互いに集中力を高めているんだ」とコメントした。

 25歳のジェロームは、ドイツが4-0でポルトガルに勝利した大会初戦で右手親指のじん帯を断裂しており、ガーナ戦は患部を固定して臨む。

 ボアテング兄弟がW杯で対戦するのは今回が初めてではなく、2010年の南アフリカ大会(2010 World Cup)で、W杯史上初の兄弟対決として歴史に名を刻んでいる。

 セルビアにまさかの敗戦を喫して神経質になっていたドイツは、ヨハネスブルク(Johannesburg)で行われた試合の後半にメスト・エジル(Mesut Ozil)が決勝点を挙げ、ガーナ戦に1-0で勝利した。そしてドイツとガーナは、決勝トーナメントに進出している。

 それから4年後の今大会では、ポルトガルに大勝したドイツがグループ首位に立ち、ケヴィン・プリンスはチームが下位に沈むなか、闘志をつのらせている。

 シャルケ04(Schalke04)に所属するケヴィン・プリンスは、ドイツのスポーツ雑誌「スポーツ・ビルト(Sport Bild)」で、「まるで古代ローマだ。人々は2チームがどんな戦いをみせるか興味津々で、競技場につめかける」と語った。

「勝利により貪欲なチームが勝つだろう。そして、僕たちはドイツを相手に最後まで戦うつもりだ」