ISIL率いる武装勢力は9日、イラクで大規模な武力闘争を開始し、これまでに国内1州の全域と、3州の一部を制圧。一方の治安当局は当初、敗戦を喫していたが、その後、態勢を立て直し、勢いを回復した模様だ。

 当局によると、治安部隊は首都バグダッド(Baghdad)北方の2つの町を奪還。また同国のヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)首相の安全保障報道官は、イラク軍は「主導権を奪還」し、過去24時間で「テロリスト」279人を殺害したと発表した。

 ただイラク当局は、戦闘員の死者数を実際より多く、また政府側の犠牲者を少なく発表することもしばしばあり、この死者数を検証する方法はない。

 当局はまた、シリア国境付近の町タルアファル(Tal Afar)で、治安部隊と部族民兵が武装勢力を撃退したと明らかにした。同町は、武装勢力にとって、内戦が続くシリアへ向かう重要な回廊となっている。(c)AFP/Mohamad Ali Harissi