【6月14日 AFP】米国で、酒気帯び運転中に歩行者をはね、その男性をボンネットに載せたまま3キロ以上走り続けた薬物乱用カウンセラーの女に12日、禁錮最低55年の相対的終身刑(仮釈放資格は55年の服役後に発生する終身刑)が言い渡された。

 シェリ・リン・ウィルキンス(Sherri Lynn Wilkins)被告(53)は2012年11月12日、カリフォルニア(California)州ロサンゼルス(Los Angeles)近郊を運転中にフィリップ・モレノ(Phillip Moreno)さん=当時(31)=をはね、ボンネット上に投げ出されたモレノさんを載せたまま、他のドライバーに停車を促されるまで走行を続けたとされる。今年2月に第2級謀殺で有罪が確定していた。

 ようやく車を止めたウィルキンス被告は、通行人らが負傷したモレノさんの救命作業をしている横でたばこを吹かしていたという。モレノさんは搬送先の病院で死亡した。

 裁判の中で同被告は、ビールとトマトジュースで割ったウオツカを3杯飲んだことは認めたものの、酔ってはいなかったと主張していた。

 同被告の弁護士は再審理を求めたが、ロサンゼルス郡上位裁判所(Los Angeles Superior Court)の判事は「明らかに十分な」証拠がそろっているとして、その要求を退けた。同裁判官はウィルキンス被告について、モレノさんを助けるため車を止めるどころか振り落とそうとジグザグ運転をしていたとして、「冷酷非情極まりない」人物だと表現している。(c)AFP