【6月13日 AFP】イラク軍は13日、首都バグダッド(Baghdad)の北方わずか50キロの距離にあるディヤラ(Diyala)州の州都バクバ(Baquba)近郊で、イスラム武装勢力と交戦状態に入った。警察当局と軍の幹部が明らかにした。進撃を続けるイスラム武装勢力は首都バグダッドに迫りつつある。

 警察と軍によると、イラク治安部隊はバクバから北東に35キロ離れたムクダディヤ(Muqdadiyah)郊外で、バクバに向けて進撃するイスラム武装勢力と戦闘に入った。バクバはアラブ人とクルド人、イスラム教スンニ(Sunni)派とシーア(Shiite)派が混在して暮らす都市で、2003年の米軍主導のイラク戦争以降、治安が悪化している。

 イスラム武装勢力は今週に入って既にサラハディン(Salaheddin)州の州都ティクリート(Tikrit)とニナワ(Nineveh)州の州都でイラク第2の都市モスル(Mosul)の2つの州都を掌握している。

 一方、ディヤラ州の副知事は同州のサーディヤ(Saadiyah)地区とジャラウラ(Jalawla)地区でイラク軍が撤退し、クルド人治安部隊が治安維持に当たっていると述べた。この2地区については12日夜、スンニ派武装組織に掌握されたと軍幹部が語っていた。(c)AFP