【6月7日 AFP】南シナ海(South China Sea)の領有権問題で特に中国との緊張が高まっているフィリピン政府は5日、韓国から哨戒艦の供与を受けると発表した。

 フィリピン外務省が今週出した声明によると、供与される「浦項(Pohang)級コルベット艦」は今年中に韓国軍を退役することが決まっているものだという。しかし同艦に搭載されている兵器システムも供与されるかどうかは不明。

 同声明には、ボルテア・ガズミン(Voltaire Gazmin)フィリピン国防相が先月30日に韓国を訪問した際に、金寛鎮(キム・グァンジン、Kim Kwang-jin)韓国国防相が同艦を供与すると伝えたと記されている。フィリピンは先にも、韓国から上陸用舟艇1隻とゴムボート16隻を供与された。

 南シナ海における領有権をめぐり、近隣諸国の沿岸も含むほぼ全域の領有権を主張している中国は、フィリピンに対する圧力を強めている。これに対しフィリピンは、中国が強硬戦術に出ていると批判している。

 同海域に面する国の中でもとりわけ軍事力不足が指摘されるフィリピンは近年、軍備増強を図っている。韓国とは関係を強めており、今年3月には韓国製のFA50軽攻撃機12機を4億2112万ドル(約431億円)で購入する契約を結んでいる。(c)AFP