【5月23日 AFP】タイのクーデターで全権を掌握した「国家平和秩序評議会」(陸海空軍と警察で構成)に出頭を命じられていたインラック・シナワット(Yingluck Shinawatra)政権の指導者らが23日、軍施設に出頭した。評議会は指導者らに出国を禁じた。

 プラユット・チャンオーチャー(Prayut Chan-O-Cha)陸軍司令官率いるクーデター決行グループは、数か月にわたって続き死者も出ている政治的混乱を終わらせるためとして、タイ全土に夜間外出禁止令を発令し、街頭デモを繰り広げてきた反政府派と政府支持派に解散を命じた。

 今月上旬、さらに混乱を深める一因となった、タイ憲法裁判所の判決によって首相の座を追われたインラック氏も出頭命令に応じ、自らの防弾仕様の車で首都バンコク(Bangkok)の軍施設に到着した。

 インラック氏の後継として暫定首相に就いたニワットタムロン・ブンソンパイサーン(Niwattumrong Boonsongpaisan)氏を含め、対立する政府支持派と反政府派の両陣営の中心人物たちが出頭を命じられていた。軍によれば、インラック政権の閣僚らを含め155人に許可無く出国することを禁じた。

 憲法の大半を停止した国家平和秩序維持評議会に対し、欧米諸国や国連(UN)の潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は非難するとともに民政復帰を求めている。(c)AFP/Thanaporn PROMYAMYAI