■CIAの偽ワクチン接種作戦が悪影響

 同国北西部の部族地域ではワクチン接種に対する反感が根強い。

 米中央情報局（CIA）は以前、国際テロ組織アルカイダ（Al-Qaeda）最高指導者ウサマ・ビンラディン（Osama Bin Laden）容疑者の追跡作戦の一環として、パキスタンの医師を利用した偽のワクチン接種キャンペーンを行った経緯がある。

 そのため、イスラム武装勢力タリバン（Taliban）の指導者らによってワクチンの接種は禁止され、過去1年半の間に医療スタッフと警護の警察官ら50人以上が殺害されている。

 同国ではさらに、ワクチン接種で不妊になるといううわさや、ワクチンにブタ由来の成分が配合されているといううわさが今もなお根強く残っていることもマイナスに作用している。

 しかしパキスタン政府はこのたび、部族地域へのワクチン接種チームに軍部隊を同行させ、同地域を離れようとする人々にワクチン接種を義務づけるよう命じている。(c)AFP/Guillaume LAVALLÉE